金が人と街を駆け抜けた -金融業界、一匹狼の足跡-
『金が人と街を駆け抜けた -金融業界、一匹狼の足跡-』 現代書館
≪本文より≫
新宿、角筈を離れて「呼び屋」の世界に入りスタン・ゲッツ、オスカー・ピーターソン、ヘレン・メリル、そしてピカソの陶器展とやったが、放漫経営が元で頓挫。(中略)呼び屋の印刷代を取り立てに来た男を見て、前々から金融業には興味をもっていたし、追われるより追う方が面白い、取り立ての元である金融の世界に飛び込んだ。十年ほど経った三十三歳の頃には、銀座を皮切りに、日本橋、高田馬場、宇都宮、新宿と店を増やしていった。
* 『ビートルズ来日公演と新宿の夜』
* 『「酒とバラの日々」ジャズギターリスト・澤田駿吾さん』
* 『「今藤」という男』
* 『相場師・経済分析研究所所長・吉田虎禅さん』
* 『三十年振りの「ピガール」』
* 『夢は映画と音楽なのに・水島良二』
* 『シャンソンの石井好子音楽事務所・白鳥浩一さん』
* 『憎めない不良中年・岩田武』
* 『憧れの銀座ACB(アシベ)の終焉に立ち会う』
* 『足を洗った元ヤクザ・三浦のトラさん』
* 『三島由紀夫氏と自決した森田必勝君』
* 『第一回レコード大賞「黒い花びら」・水原弘さんのこと』
* 『三度見かけた高倉健さん』
* 『アンダーグラウンド映画バンザイ! 映画評論家・佐藤重臣さん』
* 『「すばらしき蒸気機関車」の映画監督・高林陽一さん』
* 『「燃えよ剣」と土方歳三役の栗塚旭さん』
以上、16話が収められています。
現在の冷たく荒々しい資本主義全盛をみるとき、昭和という時代を共有して生きてきた者にとって、 こんなにも熱く若々しい大人達が無数にいたのだということを、自分も含めて思い出されるはずです。 その熱き想いを胸に秘めて共に人生を生き抜いていけたらいいなと思います。