いまほど子どもたちの間で拝金主義が蔓延している時代は、そうなかったのではないかと思う。子どもたちはどうしたら簡単にお金が手に入るかと考え、成長してからはカード決済にふりまわされている。ニュースでは消費者金融をめぐるトラブルが後をたたない。 若者の借金に対する緊張感のなさには、様々な要因が挙げられるが 、いちばんの原因は親が子に「お金の性格」や「お金とのつきあい方」を教えてこなかったことに問題があるのではないかと、本書は説く。じっさい日本人というのは「お金の話をすることは下品」と考える風潮が強く、「金は天下のまわりもの」と、悠長にとらえたがる。しかし肥大化するマネーゲームの世界では、その程度の認識では大やけどをしてしまう。
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